9Feb
冬サーフィン。立春が過ぎても、まだまだ寒い日は続きます。
早く重たいウェットスーツを脱ぎ捨てて、軽やかにサーフィンしたいと切に願うのは筆者だけではないはず!(…と、勝手に思ってます。)
ところで、あなたはシーズンが過ぎたウェットスーツを、どのように保管していますか?
意外とデリケートなウェットスーツ。
ウェットスーツは保管方法ひとつで、「え?嘘でしょ!?こんなに違うの!?」と驚くほど状態が変化します。
ズボラだったあの頃の自分を叱りたい!!!笑
今回は、次のシーズンも快適さを損なわないように、ウェットスーツの上手なお手入れと保管方法をご紹介します☆
百聞は一見にしかず。私のように後悔しない為にも、ぜひ、この記事の保管方法をお試しくださいッ!笑
なぜ保管方法が大事なの?
ウェットスーツは「ネオプレーン」と言う、合成ゴムから作られています。
このネオプレーン、本来は天然ゴムに比べ耐久性が改良された製品なんですが、やはり一般的なゴムと同じように、ポリマーの構造的に意外と不安定。
簡単に言うと、ゴムってさまざまな影響を受けて、徐々に劣化してゆく性質なんです。
不安定で、周りからの影響を受けやすいなんて・・・思春期のメンタルのような素材ですが、一方で加工のしやすさや、保温性の高さは、ウェットスーツにとって大事な要素。
「ウェットスーツは何もせずとも劣化は進むもの」と、よく耳にしますが、お手入れが大事なミドルエイジには、聞き捨てならない言葉です。
そこで、大事なウェットスーツを守るべく、劣化を招く原因と対策をご紹介します。
ウェットスーツの劣化の原因
①オゾン
ネオプレーンが劣化する原因の一つに、空気中に含まれる微量のオゾンがあります。
つまるところ、地球上ではウェットスーツの劣化は免れないというわけです!
オゾンとゴムの化学反応による劣化の特徴は、「オゾンクラック」と呼ばれる、垂直方向に生じる無数の亀裂。
さらに、湿度と温度が高くなると、オゾンによる劣化速度に拍車がかかります。
濡れたままのウェットスーツを真夏の車内に長時間放置するのは、ウェットスーツの寿命を短くすることになるので注意が必要です。
②紫外線
紫外線はゴムの分子構造をブチブチと切断してしまい、弾力性や保温性を奪います。
紫外線によるゴムの劣化は、亀裂の方向に規則性がないのが特徴です。
屋外に置きっぱなしのプラスチックが、色が抜けてもろくなっているのを見れば、なんとなく想像つきますね。
使用時以外はなるべく日に当てない方がいいでしょう。
③水道水
そのほかにも、残留塩素や金属イオンもゴム劣化の原因になるんです。
そうです、ウェットスーツをジャブジャブ洗う、あの水道水にも微量ですがゴム劣化をまねく成分が含まれているのです・・・orz
日常でも、パッキンの劣化によって起こる水漏れなど、経験がありませんか?
ゴムは塩素や金属が苦手なんです。
いえ。だからといって、洗わずにしょっぱいままのウェットスーツは御法度ですよ!?
塩分や油分は、腐食のもと。使用後のウェットスーツは、真水やぬるま湯で必ず塩と砂を落とすようにしましょう。
ウェットスーツの一番の弱点は「縫い目」。水の浸入が激しく保温効果が失われたウェットスーツは手放す時期かも。ウェットスーツの捨て方は過去の記事を参考にしてください。
ウェットスーツを守る保管方法
残念ながら、ネオプレーン生地の経年劣化は食い止められません。
ですが、ウェットの劣化は、適切なお手入れと保管方法で劇的に小さくなります。
5シーズン目のセミドライを現役で着続ける、筆者のウェットスーツのお手入れと保管方法を一挙公開!
まずは、シーズンオフの前は必ず、ウェットシャンプーを使って塩と汚れをよく落とし、ソフナーを使って生地を保護しましょう。
過去の記事では、ウェットスーツの洗い方を紹介していますので、一読必至です。
○シリコンコンディショナー
ウェットスーツを長期保管する前のケアとして、おすすめなのがシリコン剤です。
使い方は、よく乾かしたウェットスーツの表裏面に直接吹きかける方法と、ソフナーとして水5ℓに対して本剤10㎖を加え、10分程度浸け置いてから乾かす方法があります。(スプレーとして使う場合は、周りへの飛散注意!)
シリコンの皮膜が生地の酸化を防ぎ、柔軟性をを保ってくれる上に、生地がなめらかになるので、肌と生地の滑りが良くなって脱着が楽になります!!!
古くなったウェットスーツも、モチモチになるのでお試しあれ。
○ハンガー
ウェットスーツの保管には、肩にかかる負荷が分散されるウェットスーツ用のハンガーを使用しましょう。
重たい冬用のウェットスーツを細いハンガーにかけておけば、テンションがかかる肩の部分に、劣化の亀裂が生じやすくなります。
また、ウェットスーツを長期間、裏返したままにしておくと、シワができて保温効果が低くなってしまうので、しっかり表を外側にしておきます。
型崩れを防ぐためにも、背中や胸のファスナーは全て閉めて保管しましょう。
愛用品は、ナイスネーミングの「かたまもる君」笑
海に持って行くなら、折りたためた方が便利。
○ウェットスーツカバー
ここまでで完璧だと思い込んでいた筆者を、完膚なきまでに打ちのめしたアイテム!
それが、ウェットスーツカバーです。
よく考えたらウェットスーツも、クローゼットの中のウールのコートと同じくらいの価値はあるので、同じようにカバーをかけて大切に保管するべきでしたよね。
気づかなくて、ごめん・・・ウェットスーツ。そりゃ、うっすら肩にホコリもたまるよね。
ということで、今後はこちらにお世話になろうと思います!
○保管場所
最後にウェットスーツを保管するのに適した条件が、
・湿気がこもらず風通しが良い
・直射日光が当たらない
・極度な高温・低温にならない
・オゾン濃度が高くない
などです。
高温多湿の環境は、ウェットスーツ生地の酸化による柔軟性の消失を早めます。
このご時世なので、ご家庭にオゾン発生機などを置かれている方は、ウェットスーツとの距離に注意しましょう。
何かを大事にするって、自分を大事にすること
酸化によるシワとか、紫外線による角質化とか。もう、身につまされる思いです。
春がきたら、冬にお世話になったウェットスーツを労ってあげましょう。
そして、また次シーズンまで良い状態を保てるよう、大切に保管してあげてください。
かけた愛情の分だけ、きっと道具は応えてくれます!