22Apr
ダイビングインストラクターになる為には、ただ潜るスキルを磨くだけではなくEFRという講習も受けなくてはいけません。
ダイビングインストラクターがEFR?一体なんのこっちゃ!?と思う人もいると思いますので、今回はEFRについて詳しく説明していきたいと思います!
EFRって何?
EFRとは「Emergency First Response (エマージェンシー ファースト レスポンス)」の略で、正式には「応急救護資格者」とも呼ばれます。
CPRと呼ばれる一次ケアと、FA「First Aid(ファースト・エイド)」と呼ばれる二次ケアについて学ぶコースなんですが…なんかもうこの時点でかなり専門的な用語も出ているので。笑
こちらも順番にご紹介していきますね^^
CPRとは?
CPRとは「cardio pulmonary resuscitation (カーディオ・パルモナリー・リサシテーション)」の略です。
カーディオ :心臓の~
パルモナリー :肺の~
リサシテーション:蘇生 または 蘇生法
繋げて読むと「心」「肺」「蘇生法」。直訳がそのまんま日本語になっています。分かりやすいですね。笑
実際にはCPRというよりも「心臓マッサージ」とか「人工呼吸」と言った方が馴染みがあるかもしれませんが、CPRには次のような行動があります。
・現場の評価
・感染防止のバリアの使用
・一次評価
・レスキュー呼吸(人工呼吸)
・成人に対し1人で行う心肺蘇生法
・気道閉塞で意識のある人への対応
・ひどい出血への対応
・ショックへの対応
・脊椎の傷害への対応
・AEDの取り扱い
・酸素の取り扱い
これらの対応の総称を「CPR」という訳です。
EFR講習では事故者を発見した際の「一次ケア」としてこれらの手順や方法を習う事になります!
FA(ファースト・エイド)とは?
CPRは突然人が倒れた時や、倒れてる人を発見した時に行う「救命処置」に対し、FAは呼吸はしてるけど意識がない人や、意識はあるけど大きなケガをしている人への対応がメインになるので、以下のような事を習います。
・ケガの評価と対応
・病気の評価と対応
・包帯の使用方法
・骨折や脱臼した場合の添え木の使用方法
こうして見ると、主に「ケガへの対応」が中心となっているので、より専門的な知識が必要になってきます。
CPRやAEDは他の機会でもやる事は多いのですが、このFAまでやる事は少ないです。
CPRは心停止している人への救命処置、FAは怪我をしている人への応急処置と覚えるといいでしょう!!
MFAを習ったんだけど・・・
EFRに似たコースでMFA 「Medic First Aid(メディック・ファースト・エイド)」というのもあります。
内容はEFRと似ていますが、MFAの方が歴史も古く、FERコースを作る基盤となったのがMFAのプログラムです。
「ANA」や「SECOM」などの大企業でも取り入れられていて、今でも第一線で活躍しているコースです!
MFAで習った事もぜひ活用して下さいね!!
なぜEFRコース?
ここでようやく最初の言葉に戻りますが・・・どうしてダイビングのインストラクターになる為にはEFR講習を受けなきゃいけないのでしょう?
インストラクターができる事として「ダイバーの育成」というのがありますが、その中には「レスキューダイバーコース」という【他者を助ける事ができるダイバーの育成】を目的としたコースもあります。
レスキューダイバーなどのライセンスの詳細は下記の記事を参考にして下さい!
その中で基本的なCPRやFAのやり方も教える事になるので、インストラクターである以上、必ず必要なスキルなのです!!
人を教える立場の人が、いざという時に何もできないんじゃ話になりませんからね…(^_^;)
最後にこれだけは覚えておこう!CPRの手順!!
ここでコースの全てを紹介するのはものすごく大変なので、EFRコースの中でも1番のメインとなるCPRのやり方をご紹介します。
「もう知ってるよ!」という方も、復習がてらチェックしてみて下さい。意外と忘れてるかもしれませんよ!?
1:事故者発見!まわりの安全を確保しよう
事故者を発見したら、まず1番に確認する事は「落ち着いて周囲の確認をする事」です。事故者の居る所は安全な場所か、まわりに危険な物はないか、大出血はしていないかなど、事故者の周囲を慌てずしっかり確認します。
私も年に1~2回は必ず講習に参加するのですが、まわりを見ているとこの手順を飛ばして、いきなり事故者に近づく人が意外と多いんですよね…(^_^;)
事故者がいるのに慌てるな!というのは非常に難しい所ですが、二次被害を出さないようしっかり周囲を確認して危険が無い事を確認しましょう。
2:反応があるか確認しよう
肩を叩き「大丈夫ですか?」と声をかけましょう。意識があれば何かしらの反応をしてくれるはずです。
もし反応が無い場合は意識を失ってる可能性があるので、次の対応に移ります。
3:119番通報とAEDの手配
近くに人がいる場合は大きな声を出して119番通報とAEDを持って来てもらうようお願いをしましょう。
その際は「あなた!救急車の手配をお願いします」「あなたはAEDを探してもらってもいいですか?」と誰に指示をしているのかが明確に分かるようにお願いをしましょう。
「誰か!救急車をお願いします!」では誰が救急車を呼んでいいのか分からず、ワンテンポ遅れが出てしまいます。
スムーズに行動に移せるよう指示も明確に出しましょう!
4:呼吸の確認
口・鼻の近くまで顔を寄せ、事故者が呼吸をしているかを確認しましょう。
呼吸をしていれば呼吸音が聞こえますし、肺が収縮してる事で胸が動くのも分かります。
遠くから見れるだけでは分かりにくいので、より近くで確認するようにしましょう。
5:呼吸が無い場合はCPRを行う
呼吸が確認できない場合は、直ちにCPRを行いましょう!
心臓マッサージをする場所は胸の中央(みぞおち)の数センチ上。胸が約5センチ沈むくらいの強さで、1分間に100回の早いテンポで行います。
心臓マッサージ(胸部圧迫)を30回行ったら人工呼吸を2回行いますが、人工呼吸をする際も顎の先端を持ち上げ「気道確保」をします。
これを1人で続けるのはかなり大変なので、もしCPRが可能な方が複数いれば心臓マッサージ役と人工呼吸役に分かれて行ったり、交代をしながらCPRを続けましょう。
6:AEDの使用
AEDが到着したら、ただちにAEDを使用しましょう。
AEDの使い方が分かる人にお願いをするのが1番ですが、もし分からなくても音声ガイドで案内をしてくれるので、使った事が無くても慌てず音声ガイドに従って準備しましょう。
AEDの使用に関してはコチラの記事を参考にしてください!
AEDの使い方も覚えよう!
今回はEFRの説明とCPRのやり方についてご紹介してきましたが、まだまだ伝えたい事はたくさんあります!
ぜひEFR講習に参加して、CPRやFAのスキルを身につけましょう!
また、合わせて覚えて頂きたいのがAEDの使い方です。
CPRやFAももちろん大切ですが、AEDが使えればさらに生存率が高まるので、覚えておくといいでしょう!
事故者を目の前にして何もできない・・・という悔しい思いをしてからでは遅いのです。いざという時にまわりの人を助けられるスキルを身につけましょう☆