19Jan
サーフィンの上達のステップとして、
step1:テイクオフが安定してできるようになる
step2:横に滑れるようになる
step3:波の中腹でアップスによる加速ができるようになる
step4:リップアクションなどの技ができるようになる
という段階を、多くのサーファーが経験してゆくと思います。
このstep4までは、割と多くのサーファーが頑張れば到達できると思います。
では、次のステップはなんだと思いますか?
上級者のスタイリッシュなサーフィンと、中級者のモタっとしたサーフィンの差。
それが、マニューバーの違いです。
サーフィンをはじめたばかりの方は、「マニューバー」という言葉は聞きなれないかもしれませんね。
今回はそのマニューバーの解説と、週一サーファーでも効果的なトレーニングの方法をお伝えしてみようと思います。
マニューバーとは?
マニューバーとは、一言で説明すると「波のライン取り」のことです。
テイクオフから、さまざまな技を取り入れた、フィニッシュまでの一連の流れを「マニューバー」と言います。
サーファーの体の動きではなく、サーフボードの動きが大事。
サーフィンの大会では、技の出来栄えだけではなく、このマニューバーの全体構成でジャッジされます。
サーフコンテストの詳しいルールについては、コチラの記事を参考にして下さい。
スピードをキープしたまま、技と技がスムーズに繋がれているか。
どれだけ深くボトムにおりて、際どいクリティカルなセクションに鋭く入っているかが高得点につながります。
ボトムが使えていな浅いターンや、角度がなく、板がしっかり返っていないトップターンでは得点が出ません。
波のブレイクを予想して、瞬時に体を反応させる能力。
波のどこをライン取りすればうまく加速できるか、がわかる鋭い感覚。
つまり、経験がものをいうわけです。
マニューバーを構成する技
マニューバーとはライディングの全体構成と言いましたが、ひとつひとつを切り取って解説していきます。
ここで取り上げるのは、ショートボードでのアクションです。
○ボトムターン
波の斜面を一気に滑りおりるスピードと遠心力を利用して、波の下部で行うターン。
このターンの深さと勢いで、リップへ上がる角度が決まります。
ボトムターンで、サーファーの技量がわかってしまうもの!
膝を曲げて腰を十分に落とし、円の中心を意識します。
ボトムに降り切ったあと、後脚を軸にしてトップに向かう準備をします。
半円を描くコンパスのようなイメージです。
○リエントリー
波のトップでのリップアクションから、再びフェイスに戻ってくる技の総称です。
・波の崩れるリップに当て込み、波の力を利用して板を返す「オフザリップ」
・リップが落ちてくる前のセクションで板を返す「オフザトップ」
・開いたフェイスに大きな弧を描いてスプレーを飛ばす「カービング」
などがリエントリーです。
このリエントリーの出来栄えに大きく関わってくるのが、ボトムターンの深さ。
テイクオフ後のボトムターンから、リエントリーのファーストアクションを大きく見せることで点数がグッと上がります。
リエントリーを仕掛けるセクションに視線を定め、上半身をリードさせながら膝を伸ばす反発力で、一気にボトムからトップに向かいます。
トップで上半身を岸側に向けることで、板が返しやすくなります。
○カットバック
波のパワーが無くなったセクションで、進行方向とは逆にノーズを向けて、パワーゾーンに戻ること。
上半身で板をリードしたトリミングの一つです。
○フローター
波のトップが崩れたセクションで、波のカールの上を走ること。
波が崩れてしまったクローズドセクションを抜けるのに必要な技です。
加速して十分なスピードをつけて、浅めのターンからフローターに入るのが成功の鍵!
降りる位置に視線を向けて着水します。
○チューブライド
掘れた波にできた空洞をライドすること。
どれだけ深いポジションで、チューブから出てしまったり波にに潰されないように、長くチューブの中に居続けられるかがポイント!
チューブの中で細かいアップスや、レールを波に差し込みながら、スピードを巧みにコントロールし続けることが重要。
○エアリアル
十分な加速から、一気に空中に飛び出す技です。
滞空時のボードのコントロールや、エアーの高さ、安定した着水などで得点が決まります。
「飛べないサーファーはCT選手じゃねぇ」くらいの勢いで、みなさんクルクルと空中で回ってますね。
ちなみに、筆者は飛べないサーファーなので、エアーをやろうとすると勢いよくプルアウトします。笑
マニューバーの陸トレといえば…サーフスケート!
美しいマニューバーを描くには、一つ一つの技の完成度を高めることが大事です。
そのためには、とにかく海に通い、波のブレイクを読む目をやしなって、パワーゾーンを逃さない感覚を獲得する。
そうは言っても、お仕事されてる方や、学生さんなどは、1週間のうちに海に行ける時間は限られていますよね。
そんな忙しいサーファーのあなた。
ぜひ、陸トレにスケボーを取り入れてみてはいかがでしょうか。
【反復練習のススメ】
レールを波に食い込ませながらターンをする際の、身体の傾け方や軸足の荷重、トップアクションから上半身をリードさせながらの板の返しなどは、実際に身体を使って動いてみないと、なかなかイメージしづらいもの。
陸上でできないイメージや動きを、いざ海でやろうとしてもとても難しいと思います。
サーフィンに限らず、どんなスポーツでも先ずは基本となる「フォーム」を身体に覚えさせるのが大切。
まずは、型(かたち)から。
毎日、毎日、繰り返し練習する。
一つ一つの動作を丁寧に身体に落とし込む。
1ヶ月ほど地道に繰り返すと、無意識でもその動きができるようになります。身体が覚えた動きは、実際のサーフィンでもマニューバーとして表現できるようになります。
【おすすめのサーフスケート】
サーファー愛用のスケートボードと言えば、これ。
CARVER!(カーバー)
スケートボード初心者にも扱いやすいうえ、オールラウンドに練習できます。
加速性もよし。
お次は、
TRY WEEL!(トライウィール)
その名の通り、前のウィールが一つしかありません。
加速性はないものの、ターンの際の荷重移動がスムース。
他にも
・GRAVITY(グラビティ)
・SmoothStar(スムーススター)
・CARVE BORD(カーブ ボード)
など、色んなサーフスケートがあるので、お好みのスケートボードを探してみてください!
オンリーワンのマニューバー
サーフィンのマニューバーは、技量やスタイルはもちろんのこと、体重や骨格、また、使っているサーフボードによってもライン取りが変わってきます。
つまりは、みんなオリジナルのマニューバーになるということです。
どんなに大好きなサーファーをイメージしてサーフィンしても、筆者がイーサン・ユーイングになることはないのです!(キッパリ)
たくさん練習して、自分オリジナルのスタイルがあるサーファーを目指しましょう!