8Jan
スキューバダイビングをする上で「虫歯があるとダイビングできないの?」という質問をよくされます。
1度はやってみたいなと思いつつも、そんな話を聞いたりネットでそんな事を書かれていると正直心配ですよね。
そこで今回はダイビングと虫歯について徹底解説致します。
これを読めばもう心配なし!!
ダイビングと虫歯、一体何がいけないの?
まず、虫歯がダメな理由を説明するには「気圧」に関してご説明をします。
この気圧こそ虫歯にも関わってくる重要な要素なんです!
ダイビングをする水中世界というのは、深く潜れば潜る程「水圧」がかかります。
もちろん陸上(地上)にも気圧の変化は存在します。
陸上(地上)の気圧は「大気圧(たいきあつ)」と呼ばれていますが、この大気圧を1気圧とした場合、富士山の山頂では約0,63気圧と気圧が下がります。(標高が1000m上がると0,1気圧下がります)よく「空気が薄い」とか「高山病」と言われるのはこのせいですね。
一方、水中では水深を10m下げるだけで1気圧の変化があります。つまり、水深10mでは2気圧、20mでは3気圧・・・と言ったように、陸上と比べると圧力の変化がすごいんです。
気圧変化の影響とは?
では、この気圧変化の何がいけないのでしょうか?
これも最初は山でイメージすると分かりやすいのですが・・・あなたは「スナック菓子が山頂ではパンパンに膨らむ」のをご存知でしょうか?
これは陸上で製造(密閉)された時はスナック菓子の内側も外側も1気圧なのに対し、山頂へ行くと外気圧が下がるので、スナック菓子の外側は0,63気圧(富士山山頂の場合)、密閉されたスナック菓子の内側は1気圧と、内側の方が圧力が高くなります。
スナック菓子の内側の空気は逃げ場がないので、これによって袋がパンパンになるという訳です。この必要以上に膨張・圧縮してしまうのが虫歯にもよくないのです。
気圧と虫歯の関係性とは?
虫歯がある人はこの「気圧変化」に注意しなくてはいけません。
元々歯に空洞はありませんが、虫歯によって歯に空洞ができます。
この状態で放置したり、虫歯の治療中で詰め物をしていたり、金歯や銀歯などがある場合など、歯に空洞が残ると空洞内の空気が圧縮されたり膨張したりして痛みに繋がります。
この痛みを「スクイズ(もしくはスクイーズ)」と言います。
スクイズが起こるのは潜降中なので、潜ってすぐに痛みを感じるようならダイビングの中止も考えた方がよいでしょう。
また、症例は少ないですが浮上時にも痛みを感じる場合もあります。
基本的に浮上時は体内で勝手に圧平衡(圧力調整)をしてくれるのですが、何らかの理由により空気が抜けず圧平衡が上手くできないと、痛みに繋がる事もあります。
こちらは「リバースブロック」と呼ばれていて、ダイビングをする上ではかなり注意が必要な症例の1つです。
スクイズ・リバースブロックの対処法は、膨張した空気がうまく抜けてくれるのを待つしかありません。
ゆっくり潜降・浮上して、痛みを感じる前に一旦止まり、空気が抜けてくれるのを待つ、、この繰り返しです。
入れ歯や差し歯は大丈夫?その他の注意点
詰め物や金歯・銀歯が要注意と書きましたが、入れ歯や差し歯の方も同様のトラブルが起こっているようです。
虫歯と比べると痛みが出るのは少数ですが、空洞ができるとスクイズやリバースブロックの症状が出る事もあります。
また歯の根っこの方で炎症が起きている場合も注意が必要です。
炎症が起きている場所が空洞になってしまうので、同じように痛みが発生する事があり注意が必要です。
他には、入れ歯や差し歯自体が外れてしまうと誤飲や紛失という事もあり得るので、グラグラしてる時やハマりが悪いなと思う時は充分気を付けましょう。
虫歯痛対策は?
ではこれらのトラブルを防ぐにはどんな対応策があるのでしょうか?
これは「しっかり治療を済ませる事」に尽きます。
歯の治療をする際にちょっとした隙間が残ってしまうと、それがスクイズやリバースブロックの原因となってしまうので、歯の治療には充分注意しましょう!
と言っても、自分でどうこうできる問題ではありませんので(^_^;)
通っている歯医者の腕が悪いなと思ったら、ちゃんと相談して治してもらうか、別の歯医者に通う決断も必要です。
歯を大切にしてダイビングを楽しもう!
今回はダイビングと虫歯の関係性についてご紹介させて頂きました。
虫歯があって心配な方は、しっかりと治療してから潜るといいでしょう!
そして、もし潜ってる間に急に痛みを感じてしまった場合は、潜降・浮上をとにかくゆっくり行う事が大切です。
特に水面付近は気圧差が大きいので、急潜降や急浮上は禁物です!
歯を大切にして楽しくダイビングを続けましょう♪