12Feb
水着で軽快にサーフィンできる夏って、最高に幸せですよね!!!
ほんとに・・・最高なんですけどね・・・アレさへなければねっ!
波待ちしていると、いきなりチクッ!チクチクチクッ!という刺激にびっくりして、「クラゲか!」とあたりを見回しても何もいない。
忘れた頃に出てくる、虫刺されのような腫れと痒み。
そう、それはチンクイの仕業。
あなたもきっと経験があるはず。
サーフィンや海水浴を楽しむために、夏の海はチンクイ対策なくして語れません!
チンクイの正体とは?
チクチクの正体であるチンクイ、実は「ゾエア」という正式名称を持っています。
体長が2mm程度しかない上に体が半透明なので、海でチクチク感じても、肉眼で見ることも避けることも難しいチンクイですが、あなたは釜揚げしらすの中に紛れた謎の極小生物を見たことはありますか?
イカやタコでも無い、ちっちゃいエイリアンみたいなやつ。
そう、アイツがゾエア。チンクイの正体なのです。
○ゾエアとは
「ゾエア」とは、エビやカニなどの甲殻類の幼体の総称で、地域によって種類の違いはありますが、日本周辺のどの海域にも生息しています。
母親のお中で孵化したゾエアは、脱皮を繰り返しメガロパという形態を経て成体の姿に近づいて行きますが、詳しい生態はまだよくわかっていません。
海底で誕生したゾエアは光に向かう走光性を示すため、海面まで浮上してきてプランクトンとして、海中を漂いながら生活します。
一般的なゾエアは額や背中、体側にも棘を持っていて、これが皮膚に触ると「チクッ」とした痛みを引き起こす原因になるのです。
○チンクイが多い時期
チンクイの発生する時期は、海水温度が上昇し始める春から秋頃にかけて。
エビやカニの多くは春頃から産卵が始まり、7〜9月にピークを迎え、2週間〜1ヶ月の抱卵時期を経てゾエアが誕生し、海中を漂い始めます。
その上、夏に吹く南東からの季節風が、沖合いに浮遊しているプランクトを太平洋沿岸に運んでくるので、チンクイに遭遇する機会が多くなってしまうんです。
つまり、夏・・・それは、出会いとチンクイ被害の季節。笑
サーフィンや海水浴を安心して楽しむためには、チンクイ対策を講じる必要があるのです。
○症状
チンクイは毒を持っていないので、重篤な症状を引き起こす危険性はありません。
主な症状は「チクッ!」と感じただいぶ後に、ポツポツと痒みを伴う赤い斑点が、体の一部分にまとまってあらわれます。
ただし、ビーチでの強い紫外線や海水の塩分なども刺激を誘発する原因になりますし、甲殻類アレルギーなどにより免疫機能が過剰に反応してしまう場合は、腫れや痒みが強く出ることもありますので注意!
夏のチンクイ対策
症状は比較的軽いと言っても、やっぱり腫れと痒みはとてもストレス。
小さいお子さんをお持ちの方は、せっかくの休日に海水浴に行った先で「今日の海はチクチクするからヤダー」なんて言って、波打ち際からだいぶ離れたところで砂遊びしてたら、ちょっとガッカリしちゃいますよね。(←実体験談)
繁殖期で大量発生した上に、肉眼で見えないチンクイを避けてマリンレジャーを楽しむことは無理そうですが、被害を最小限に食い止める努力はできるはず!
求めよ!さらばあたえられん!
ということで、サーフィンや海水浴を楽しむための、チンクイ対策をご紹介します。
○クラゲ除けクリーム
クラゲ除けというだけあって、チンクイ除けではないのですが、これを塗るのと塗らないのでは、やっぱりチクチク度合いがかなり軽減します。
チンクイよりもクラゲ被害の方が甚大なので、塗ってて損なし!
この商品、愛媛県の高校生が開発に携わった日焼け止めなんですが、イソギンチャクに刺されないクマノミから発想を得て、作られたそうです!地球環境に優しい配合。
○ラッシュガード、レギンス
一番確実なチンクイの予防対策は、物理的な接触を回避すること。これに限ります。
ラッシュガードやレギンスなどで、皮膚の露出を少なくしましょう。
ただし、海水と共に流れ込んだチンクイが、ラッシュガードと肌の隙間に入ってしまうこともあるので、可能な限りピタッとしたサイズをおすすめします。
男性は、夏の思い出がチンクイ惨劇にならぬよう、お気をつけくださいませ。
○チンクイの多い場所を知る
チンクイは自分で泳ぐ能力はなく、潮の流れに身を任せて漂っているので、波打ち際や潮だまり、潮の流れが緩やかな潮目に多く浮遊しています。
このような場所でレジャーを楽しむなら、肌の露出を控えた方がいいでしょう。
エビやカニは、満月の周期で産卵やゾエアの放出をするそうなので、大潮辺りはチンクイ被害が多かったりするのではないかと考えられます。
チンクイに刺された時の対処法
実際にチンクイの被害にあってしまったら、早いうちに海から上がり、流水で体を洗い流しましょう。
肌の露出している部分だけでなく、水着の中もお忘れなく。
先ほどもお伝えした通り、チンクイは毒を持っていないので、程度の差はあれど発疹は数日〜1週間程度でおさまります。
痒みが出る場合は、患部を冷やすか痒み止めを塗って、掻きこわしに気をつけてください。
激しい痒みが伴う場合や、数週間も腫れが引かない場合は、ステロイド剤や内服薬が必要になる場合もありますので、皮膚科専門医に相談することをおすすめします。
チンクイは無実の罪
海辺のチンクイは確かに厄介者ですが、彼らにしてみたら親元を離れてプカプカ海を漂ってたら、思わぬアクシデントに遭ってしまった被害者(?)なのかもしれません。
相手は攻撃の意思もなければ、逃げる気もないのです。
チンクイを知るにはまず己から。
海には、そこで生活する生き物たちの自然の営みがあります。
夏の日差しは身も心も解放的にしてくれますが、自然との共生を意識することで、地球環境と人間の双方にとっていい関係が結べるきっかけになるかもしれません。
今年の夏は、サーフィンも海水浴も、チンクイ対策を万全にお出かけください。